この手紙は、使徒ヨハネによって紀元８０年代後半もしくは９０年代前半に書かれたと言われています。すなわち、キリスト教に対する迫害があり、また教会ではキリストを神ではないと否定する者たちが現れてくる困難な時代でした。
しかし、彼は信仰によって勝利できるとはっきり語っています。
１，神から生まれる
キリスト教の信仰は御利益信仰ではありません。むしろ、新しい生き方ができる信仰であると言えます。１節に、「神によって生まれた」という言葉があります。生まれるとは、その性質を持っていると言うことです。「蛙の子は蛙」ということわざがありますが、子は親の性質に似ています。
もし、私たちがイエス・キリストを信じるなら、キリストに似た者となると言うことです。キリストは人を愛されました。それは、人から褒められたり、関心を持たれるためではありません。人を救うために来られた方です。人を憐れみ、永遠の滅びから救うために、私たちの所に来て下さったのです。だから、人を愛されました。病気で苦しんでいる人を癒やされ、体の不自由な人を直され、彼らに生きる喜びを与えられたのです。自分が有名になったり、尊敬されるために来られたのではなく、返って自分のいのちを与えるために来られた方なのです。
ですから、私たちがイエス様を救い主と信じるなら、「心で信じて、口で告白する」なら、救われるのです。新しいいのちに生きることができるのです。
新しいいのちとは何でしょうか。それは、「御子を私たちに遣わされた父なる神と、イエス・キリストを知ることである」と、ヨハネは福音書に記しています。キリストを信じるなら私たちは神から生まれた者です。
神から生まれた者は、神を愛し、同じようにイエス・キリストを信じて生まれた人を愛することができます。なぜなら、神は愛であり、私たちは信仰によって愛するという性質を受け継ぐことができるからです。
２，神を愛すること
神を愛するとは、その命令を守ることである、とヨハネは語りました。神の命令とは何でしょうか。それは、キリストが私たちを愛されたように、互いに愛し合うと言うことです。簡単なことですが、実際難しいものです。なぜならば私たちの生まれつきの性質は、自分を愛せるけど人を愛せないという思いがあるからです。それは、自分の思いや力では克服できませんし、解決出来ないのです。
唯一できることは、生まれ変わらなければならないと言うことです。新しく生まれることです。新しく生まれれば、その性質を受け継ぎ、命令を守ることがたやすくなります。父なる神は子なる神を愛され、子なる神は父なる神を愛せられたように、私たちは神を愛し、人を愛することができるようになるのです。私たちは何によって新しく生まれることができるでしょうか。それは、聖霊によって新しく生まれることができます。
御聖霊は助け主であり、御聖霊によって私たちはイエスを主と告白することができ、信じて新しいいのちに生きることができるのです。
３，勝利の信仰
神によって生まれた、新しいいのちが与えられた人は世に勝つことができます。世に捕らわれません。世の影響を受けません。神の愛に生き、神の力によって生きることができます。
私たちも、イエス・キリストを心にお迎えし、この世に勝利する者とさせていただきましょう。
（宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一）
