柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「豊かな救い」 申命記26章1-11節

 旧約時代からイスラエル民族は、春の小麦の収穫を感謝することや(五旬節)、秋の葡萄の収穫を感謝する(仮庵の祭り)という習慣をもっていました。本箇所は、そうしたことが語られているのですが、主なる神の「豊かな救い」に対する信仰を新たにする時でもありました。
 
1.その実 ―感謝の生活― 1〜4節、10〜11節
 「ありがとう」と感謝することは、私たちをして幸いなものします。とりわけ、何かの代償に対する当然の感謝以上の感謝をすることができることが、人間の尊い姿と言えましょう。
 ところで、感謝はしても、それが見当違いの方を向いていたのではこっけいです。また、ありもしないものに手を合わせることも、愚かです。神に造られた人間は、神への感謝をすることが、何よりも尊いことなのです。礼拝とは、まさに神への感謝をささげる時です。
 そして、私たちは、生かされていること、家庭があること、教会があること、といった一つ一つの恵みを覚えて感謝することが大切です。さらに、悩み・苦しみ・苦痛など、とうていそれ自体を感謝できない中で、受け入れてくださるお方、愛してくださるお方、赦してくださるお方、生かしてくださるお方、全部を背負っていてくださる主なる神がおられるのです。感謝は、全ての良きものの根源でいらっしゃる「父なる神」にこそさざけられるものなのです。
 主なる神に感謝をして生きるすばらしさを知っておられますか!

2.その根拠 ―神の贖い― 5〜9節
 そうした感謝のささげものの根拠として、神がイスラエルの先祖たちに真実をもって誓ってくださった、約束してくださった救いのみわざを成し遂げてくださったと言い表しています。神は『私たちの声を聞き』『私たちの窮状と労苦をご覧になり』『力強い御手と、伸べられた腕』『力と、しるしと、不思議とをもって』(7〜8節)出エジプトさせてくださったという「神の豊かな救い」がそれです。天地創造も神のすばらしいみわざですが、むしろそれには触れられないで、感謝を表す唯一の理由は、神のこの救いのゆえであるというのです。
 出エジプトという転機的な出来事には二つの意味があります。一つは、刑罰からの救いです。小羊の血が家の入口の柱と鴨居に塗られていたら、神の審きが過ぎ越すのでした。二つには、エジプトにおける奴隷状態からの解放でした。そこから、神の約束の国に向けて出発したのです。『これをあなたがたの年の最初の月(正月)とせよ』(出エジプト12章2節)との新しい転機がもたらされたのでした。
 同じ神であられるイエス・キリストは、私たち一人ひとりの苦悩の声を聞き、ご覧になられ、力ある救いの手を差し伸べて、神の不思議なみわざを成し遂げてくださったのです。聖書によると、全ての人は罪を犯しているので、神の審きを受け入れなければなりません。そこから逃れる道はただ一つ、そんな私たち罪人の身代わりとして十字架で死んでくださった小羊なるイエス・キリストを信じることです。さらに、罪やこの世の悪習慣、そして死の奴隷になったままの主体性のない生き方をしているところから解放され、意味ある・価値ある・確信ある・永遠につながる人生を生きる道を開いてくださったのは、死んでよみがえられたイエス・キリストであることを信じることです。
 このキリストを信じる、十字架と復活の主イエス・キリストに結ばれることによって体験する、あなたの人生の正月、新しい出発をさせていただきたいものです。そして、「私もこの大いなる豊かな神の救い」の歴史の中に入れられていることの感謝をささげたいものです。

                  (説教者:柏原教会牧師 川原崎晃)