柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「結婚愛の絆」 マルコによる福音書10章1〜12節

 結婚、それはまさに「新しい愛の誕生」であり、男女が互いに「引きつけあう」以上に「結びつき、結び合う」関係に入ることです。聖書によれば、結婚前は、非合理的でやや感情が勝るところの「選びの愛」をもって理屈抜きの愛を表しますが、結婚後は、理性的・意志的な「契約の愛」をもってどこまでも神の前にあって誠実な愛を表します。

 さて、主イエスは、ガリラヤ伝道を終えられて、ヨルダン東側を南下され、十字架にかけられるためにエルサレムへと向かわれました(10章32節以下)。その間、三つの教えすなわち家庭を営むこと、子供が与えられ育てること、そのために必要な財産を必要とすることについて、主イエスの弟子にふさわしい在り方を語られました。

 本箇所においては、主イエスを試みようとするパリサイ人が、「結婚・離婚・再婚」について意地悪い質問をしてきました。この課題は、昔も今も、洋の東西を問わず、難しい課題であり、今日のキリスト者も、これをどう考え、どう処するかは、世の人々から試みられているデリヶ―トな課題です。


Ⅰ.神の創造の秩序に立つ  6―9節

 当時のユダヤ社会においては、離婚は恥ずべきことと理解されていました(申命記24章1節)。パリサイ人はこの課題をもって主イエスを試そうとしたのですが、彼らが聖書の教えに従おうとしない頑固な心であったので、主イエスは聖書を根拠として、父なる神が意図されていることを明らかにされました。すなわち、男であるとか女であるという事実の背後に神の御手が働いているという神の前の互いの尊厳性と、結婚は神が結び合わされたゆえに尊厳性があるということです。神の前の結婚愛の絆は、神が繋いでくださったもので、離すわけにはいかないものなのです。
 すでに結婚されている信仰者夫婦は、二人で一人として生きる夫婦であるように!
 将来に結婚を信仰をもって祈り備えている人は、神が備えられている人が一人だけこの世界に存在されていることを覚えて、その出会いを求め、クリスチャン家庭を築く恵みと喜びに与かるように! この世の風潮に流され、支配されることのないように!
 結婚後に救われた人は、何よりも配偶者の救いを第一に祈り、仕えていくように!
 終生を独身で過ごすように導かれている人は(マタイ19章12節)、主と教会と隣人の救いのために愛を注いでいくように!


Ⅱ.キリストの贖罪愛に立つ  5節

 夫婦愛の結びつきは強いものです。ですから、主イエスは、断固とした口調で、徹底して妥協されませんでした(11−12節)。
 私たちが、結婚・離婚・再婚に関しては、人間の罪の姿が現れやすく、利己的となり、悪いのは周囲のせいにしたり、相手だけを責めたりして、自分の立場を正当化しやすくなります。そうした『かたくな』な姿は、人類の最初の人アダムとエバが父なる神との愛の交わりを拒んだ結果、彼らが互いに責任転嫁しているところに現れています(創世記3章12−13節)。
 そうした神のみことば通りに生きていこうとしない頑固な人間の唯一の解決の場、救いの場は、キリストの十字架による贖罪の恵み以外にはないのです。夫と妻の結婚の関係は、キリストと教会の関係の投影なのです(エペソ5章22−33節)。

 結婚愛の絆は、主イエスの十字架の恵みによって培われていくのです。

        (説教者:柏原教会牧師 川原崎晃)