柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「苦難に対処する秘訣」ピリピ4章10~14節

私たちは今、大変な困難の中にあります。しかし私たちには、すべてのものを造られ支配しておられる全能の主がおられます。言わば今の時は、私たちの信仰が試されているときではないかと思います。
今日は、「苦難に対処する秘訣」を聖書から学ばせていただきたいと思います。

 

1,どんな境遇にあっても満足する
パウロはこの手紙をローマの牢獄からピリピの人たちに宛てて書いたといわれています。決して快適な場所ではありませんでした。しかも将来において、安閑とはしておられない、やがてはキリストのゆえに殉教する覚悟もしていたでしょう。しかし、そのような中にも、彼の心は喜びで満ちあふれていたのです。それは10節に「私は主にあって大いに喜んでいます」という言葉に表されています。主にあってとは、キリストのうちにあってという意味です。彼はピリピで、イエス様の救いを伝えました。一番大きい出来事は、牢獄の看守の家族が救われたこと です。もし看守が自害していたら一家は破綻していたでしょう。しかし、イエス様を信じて全員が救われたのです。「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます」(使徒 16:31) 。
これほど大きな喜びはありません。ですからピリピの人たちは、パウロの働き、
すなわち伝道を何よりも喜んで支えたのです。しかも、パウロが捕らえられてローマの牢獄に入れられても、ピリピの人たちの心は変わりませんでした。「私を案じてくれるあなたがたの心」とパウロは言っています。彼らはパウロを案じ、必要なものをエパフロデトに託 して送ったのです。そのことをパウロは感謝していますが、何よりも「主にあって大いに喜んでいます」というのがパウロの信仰でした。そして私たちも彼の信仰に倣って、キリストによって喜ぶ、十字架によって罪赦され、滅びに向かうはずの者が天の御国を目ざす行列の中に加えられたのです。私たちにとって、これほどに大きな喜びはありません。

 

2,強くして下さる方により、何でもできる
パウロほど苦難に満ちた生涯を歩んだ人はなかったのではないかと思います。
彼はキリストのゆえに一切を損と思い、捨てたことを証ししました(ピリピ 3:8) 。
それどころか、キリストのゆえに、苦難をも甘んじて受け入れる者となったのです。
同族のユダヤ人からは、キリストのゆえに迫害を受け、石で打ち殺されそうになったり、ローマに裁判を受けに行く途中、船で難破したり、数多くの困難に直面しました。
しかしまた、彼は生まれながらのローマ市民であり、大きな特権でしたが千人隊長の庇護を受けて、ユダヤ人の刺客などもいましたが、無事ローマに行くことができました。
彼は 12 節で「ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています」と証ししていますが、それは何でしょうか。13 節に答 えがあります。「私を強くして下さる方によって、私はどんなことでもできるのです」とパウロは明言しています。
私を強くして下さる方はだれでしょうか。イエス・キリストです。
十字架にかけられ、死の中からよみがえられた方が、強くして下さるのです。
パウロはキリストが私のうちに生きておられるのである (ガラテヤ 2:20) 。と証ししているとおりです。キリストによって私たちも強められます。ピリピの人たちもパウロと共に苦難を分かち合いました。それは、イエス・キリストによって、彼らも強められ、どんな困難にも共に立ち向かっていった のです。ユダヤで大飢饉があったときでも、パウロの呼びかけに応じて、彼らは献金をしました。彼らは豊ではありませんでした。そしてパウロは彼らがどれほど貧しいか知っていました。しかし彼らは乏しい中にも精一杯のささげ物をし、パウロを感激させたのです。それは彼らの心の中にも「私を強くして下さる方によって、私はどんなことでもできるのです。」
と彼らは証ししたのです。

 

(宣教者:柏原教会牧師 西本耕一)

 


【柏原教会】2020/5/10 母の日礼拝