ピリピの教会は、パウロが初めてヨーロッパを伝道したときに建てられた教会です。キリストの救いに与り、喜びに満たされていましたが問題もありました。その本質的解決にパウロは手紙を送ったのです。
１，他の人への配慮
人が集まるときに問題が生じます。それは人との比較です。弟子たちは誰が一番偉いかと最後の晩餐まで論じ合いました。ピリピの教会でも同じことが起こりました。そして彼らが目ざすべきは、一致すること同じ愛の心を持つことでした。
そのために彼らができることは、へりくだることです。謙遜になる。そして、相手を顧みてすぐれた者、良い評価を与えることです。このことを努めなさい、励みなさいと勧めたのです。
２，キリストの謙遜
相手を自分よりすぐれていると思うのはたやすくありません。仕事のライバル、また受験等の競争で、相手より下になることは難しいことです。
しかし、パウロは実践した人です。一切のものを捨てて、キリストに従いました。彼の人間的すばらしさは３章の初めに出ていますが、彼はそれらのものを喜んで捨てました。なぜなら、キリストご自身がそのようにされたからです。
キリストは私たちに模範を示してくださいました。すなわち、神であるのに神としての栄光を全く捨てて、人間となって下さったのです。しかも、しもべのかたちをとって謙遜になられたとあります。それは、イザヤ書５３章の苦難のしもべです。「蔑まれ、のけ者にされ、病気になって、痛みをになった」(イザヤ53:3，4)。まったく顔を背けたくなるような姿になられたのです。そして、十字架にかけられて死なれた。これほど惨めなことはないのです。それは、私たちのためであったのです。なぜなら私たちは惨めにならないでしょうか。がっかりすることはないでしょうか。私はあります。誰が慰めてくれるのでしょうか。十字架のキリストです。この苦しみにあったかたが私を慰めてくださるのです。
３，キリストの高揚
十字架に死なれたキリストはヨミにまでもくだられました。しかし、死からよみがえられさらには、天に帰られすべてのものが、膝をかがめて「キリストは主である」と讃えられるようになったのです。私たちもまた、その栄光に与ることができるのです。主をほめたたえましょう。
（宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一）
