ここにはツァラアトという言葉が出てきます。病の一種ではありますが、普通の病気と異なります。良くなったら祭司に見せなさい、とキリストは言われました。そして、人々へのあかしのために、きよめの供え物しなさいと言われています。
ただの病気ではありません。当時では深刻な問題がありました。その病にとりつかれると、汚れていると言うことで、社会からは除け者にされ、神殿にも入ることは許されませんでした。ですから、ツァラアトを罹った人は、まさに孤独な人生を歩まなければならなかったのです。言うならば、呪いの象徴的な病であったのです。
現代でも、病気になることは大変なことです。つらいものがあります。しかし、また希望があります。それは癒やされると言うことがあるのです。聖書には、病が癒やされる人の話がたくさん出てきます。この記事の前にも、ペテロの姑の癒やしが出ています。イエス様はすぐに癒やされました。
しかし、ここに出ているツァラアトは簡単に癒やされるものではありません。しかも、単なる病というだけではなく、社会から除け者にされ、苦しみを負っているような病です。まさに絶望的な状態です。誰がその苦しみから救ってくれるのでしょうか。それはイエス・キリスト以外にはおられないと言うことです。
このツァラアトには、一つの意味があります。呪われた、と言うことは何か罪を犯したからこの結果になったのではないかと人々は考えました。いわゆる因果応報です。しかし、そこには救いはありません。その報いを受けなければならない、とあきらめるしかありません。
しかし、この病の人はあきらめなかったのです。イエス様のところに来ました。なぜなら、彼の心にはたとえこのように大変な病でも、イエス様ならいやして下さる。その信仰が彼の心にあったのです。
私たちも病気になったからといってあきらめる必要はないのです。イエス様はいやして下さる。このことが大切です。それを信じることです。信じることが第一です。そして、第二のことは神の前にへりくだることです。謙遜になることです。彼はイエス様の前にひざまずきました。それが、彼の謙遜でした。なぜなら、神様はへりくだる人に恵みを与えられます。高慢な人には恵みは与えられませんが、へりくだる人謙遜な人には神様は豊に恵みを与えられるのです。ですから、彼はへりくだって病が癒やされたのです。同じことは、旧約聖書でシリアの将軍ナアマンも同じ病に罹って、彼は謙遜になりヨルダン川で実を洗ったとき、きよめられたのです。
そして、第三のことは確信することです。信じたら、すべてを委ねてその通りになる、神様の御心どおりになると信じることです。「信仰はのぞんでいる事柄を…確信させる」(ヘブル１１：１)とあるごとくです。信じてへりくだり、確信を持って願うなら、神様の奇跡の御業がかならず行われます。
何とイエス様は手を伸ばし、彼に触ってきよくなれと言われたとき、ツァラアトは癒やされ、彼は喜びに満たされたのです。そして、彼は喜びのあまりに、イエス様は言わないようにと戒められたのですが、彼は人々に話さずにはおれませんでした。 かつては、疎外されていた人が、人の中に入り証しをする、ツァラアトが完全に癒やされた。喜びと感謝に溢れて言い広め始めることができるのです。
イエス様の力は偉大です。疑い、恐れ、悲しみ、そのような罪をも赦し、救い、新しい人生に導かれることができるのです。
（宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一）
