柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「しかし、勇気を出しなさい」 ヨハネによる福音書16章33節

 『あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている』とのみことばは、救い主イエス・キリストが十字架におかかりになる直前、弟子たちに対する最後の言葉として語られたのでした。
 誰の言葉でも、その人の最後の言葉は重く受け止められるものです。主イエスの最後の言葉も、重大な言葉であり、真剣に聴かれるべきものです。
 救い主イエスに思いと心を向けて、このお方が語られる大切なみことばに聴き、信じ、信頼しているかどうかは、その人の日々と人生を左右するものとなるのです。 
どうすれば、勇気を出せるのでしょうか。

 1 神に慰められているならば

 「勇気」について無関心な人がいるでしょうか。誰しも必要としているものです。生きる勇気、自分を失わずに自分自身であり続ける勇気、未知な将来に挑戦する勇気、家族のことで悩むときに必要な勇気、定年退職を迎えて第二の人生に向かう勇気、また高齢者にも求められる勇気があります。何よりも、人生の苦しみや苦難や悲しみを経験するときに耐える勇気が、死に直面したときに乗り越えていく勇気が求められます。
 イエス・キリストは、苦しむ経験を避けよとはいわれていません。『あなたがは、この世ではなやみがある』と、苦難を受けることは避けられない、逃げ出せないのです。そして、『しかし、勇気を出しなさい』、慰められていなさい、安心して、元気でいなさいと勧められています。真の神は、高見の見物をして腕組みをして声をかけられるお方ではありません。人となって苦しむ者と共に苦しんでくださるお方です。このお方を信じ、信頼していくことによって安心し、立ち上がり、元気が出せるのです。
 1949年12月11日、当時8歳の向後良子ちゃんが、数日間の激しい病苦に耐え、死の恐怖からも解放され、天国を望む輝いた笑顔で召されました。臨終に際して、「ああよかった、イエス様を知らない人はお気の毒ね。わたしはもう大丈夫、お父さん伝道にいってらっしゃい」と証されたということです。何という勝利!


 2 主イエスの勝利に与かっているならば

 『わたしはすでに世に勝っている(勝ったのである)』とは、主イエスが、チャンピオンになったという意味であり、他者のために代わって役目を果たし、人生最大の問題である罪と死に勝利してくださったのです。すなわち、私たち一人ひとりの罪の身代わりとして十字架にかかってくださったことによって、私たちは罪が赦されて神のものとされ、復活されて死に勝利されたことによって、私たちは永遠のいのちを保証されたのです。
 「人が病気のときに死ぬのではなく、神が私のところに来なさいと言われたときが死ぬときです。それが最善のときです。死は終わりなどではなく、永遠にキリストト共にいる最高の幸せの始まりです」とは、至言です。
 勇気を出すとは、この主イエス・キリストの勝利に与かることなのです。様々な苦しみの解決を願い祈る前に、このお方が如何に大いなるお方であるかを知らせていただきたいものです。

(柏原教会牧師 川原崎 晃)