柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「天の国籍を目ざして」ピリピ3章17-21節

 パウロは牢獄の中にあって、この手紙を書きました。しかし彼の心は喜びに満たされ、笑顔を持って生きていたであろうと想像されます。なぜ牢獄の中にいても喜びに満たされるのか、その秘訣を御言葉の中から見て行きたいと思います。

1,パウロの確信
 彼はピリピの人たちに「私にならう者となって下さい」と勧めています。彼の心には明確な救いの確信があったからです。もし、確信がなければこのことを言うことはできなかったと思います。彼の心にあった確信によって彼は揺らぐことのない生活をすることができ、また生涯を全うすることができたと思います。
 私たちも、ただ口だけの信仰ではなく、私を見習う者となって下さいと胸を張って言うことができればどんなに幸いであろうかと思います。そのことを成し遂げて下さるのは神様です。彼が自分の力でもってこのことを言ったのではなく、神様が言わせて下さったのです。その力が彼の内にあり、彼は確信を持って証しすることができたのです。
 ですから、彼にとって牢獄に住んでいようが大豪邸に住んでいようが、影響されない心の確信が彼のうちにあったのです。彼は貧に処する秘訣を心得ていましたし、富みに処する秘訣も心得ていたのです。それは「私を強くして下さる方によって何事でもすることができる」という彼の信仰にあったのです。

2,パウロの涙
 彼はまた涙を持って語ることがある、と言っています。それは十字架に敵対して、滅びに向かって歩いているが多くいると言うことです。
 最近のニュースでも、マスクが品不足となっていると言っていました。新型肺炎の流行で供給が追いつかず品不足の状態で、法外な値段で取引がされているとのことです。パウロはまさに、そのようなことを「欲望であり、恥である」と言っているのです。まさに今はそのようなことがまかり通る時代です。欲で生きる人はこの世のこと、地上だけのことしか理解できません。パウロが警告しているのは、彼らの最期は滅びである、とはっきり指摘しているのです。それはまさに十字架に敵対する者です。私たちはそのような生き方から救われなければなりません。どうしたらその滅びから救われるのでしょうか。

3,天国の国籍を目指して
 パウロは「私たちの国籍は天にある」と言いました。彼はローマの市民権を持っていました。ですから安全に、ローマまで護衛兵がつけられて無事送られたのです。市民権を持っていれば安全が保証されたのです。
 私たちは、神の守りの保証となる、天国の国籍、天国の市民権を得る必要があります。それでは何が必要でしょうか。十字架です。「十字架によって私の罪は赦された。」との確信を持つことです。それが私たちの国籍であり市民権なのです。パウロはそれをダマスコの途上で与えられました。まだ、迫害しているときのことです。しかしその時に天国の市民権が与えられたのです。よいことをした後ではありません。私たちもクリスチャンになった後で救いが与えられるのではありません。その前に神さまは私たちに救いを与えて下さいます。クリスチャンになる前に救って下さり、私たちを変えて下さるのです。その力がイエス様にあります。
 信仰の父アブラハムも行いによらず、ただ信じる信仰によって義と認められました。私たちも信仰によって弱さに打ち勝つことができるのです。キリストはその御力によって、卑しい私たちの体でさえご自身に似た栄光の体に変えて下さるのです。パウロはそのことを信じました。彼の心に勝利と希望が与えられたのです。私たちも同じように信じることができます。そして困難の中にも希望と感謝を持って生きることができるのです。

 

(宣教者:柏原教会牧師 西本耕一)