柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「救い主の誕生」ルカ2章1-7節

来週はクリスマス、イエス・キリストの御降誕をお祝いするときです。聖書のこの箇所を読むと、偶然に起こったのではないことがわかります。


1,神のご計画

皇帝アウズストは実在の人物です。彼はローマの皇帝でした。ユダヤの国はローマの支配下にありました。ですから、皇帝の命令には絶対に従わなければなりません。それでみな、人々は命令に従い、自分たちの郷里に帰って登録をしたのです。
アウグストの目的は、軍事力の強化と税の取り立てにありました。ローマを強くするために住民登録をさせたのです。クレニオという人が総督で、シリアの地方に、にらみをきかせていました。ユダヤ人にとっては迷惑なことであったと思います。
キリスト誕生の約700年前に、ミカという人が預言をしていました。それは、救い主はユダヤベツレヘムで生まれると言われていたのです。それは旧約聖書ミカ書5章2節に出てくる預言です。アウグストはそんなことは知らなかったでしょう。仮に知っていたとしても無視していたと思います。彼にとって大事なことはローマを治めることであったのです。


2,救いの計画

しかし、神様にとって大切なことは、この世を治めることでも、この世が立派になることでもないのです。それは、私たちが永遠の滅びから救われることです。
アダム以来、人間は神様に対して不従順でした。神に従わず、偶像を拝み、自分のことしか考えない者となったのです。しかし、神様は人を憐れまれました。ノアの時代も罪が満ち、神様は滅ぼそうとされました。しかし、忠実なノアにそのことを隠されませんでした。そして、ノアは箱舟を作り、それによって滅びを免れたのです。
真の神様は常に人を愛し、永遠の滅びから救おうとされているのです。そして、救い主がお生まれになることも神様の救いの計画でした。ただし、神様の救いの働きは大っぴらな者ではありません。むしろ目立たず、しかも上から成されるよりは下から、底辺からの救いです。それはどんな悪い人でも、最低の環境にある人でも救われるというしるしです。


3,飼い葉おけの救い主

クリスマスのミサと言えば、厳かな感じがするのですが、実際はそうではありませんでした。この世の騒ぎと、宿屋には泊めてもらえない人情のはかなさ、そして家畜小屋で生まれ、飼い葉おけに寝かせられる、それがキリストの現実でした。それは、この世に生きている私たちを救うためです。
この現実の中に、イエス・キリストはおられ、私たちの苦しみ悩みを味わって下さるのです。賛美歌の中に、「馬槽のなかに」という歌がありますが、「人となりて、貧しきうれい、生くるなやみ、つぶさになめし この人を見よ」とあります。その通りにキリストは生きられ、十字架にかけられ、敵をゆるしたのです。このキリストを通して神の愛は現されました。私たちを愛し、私たちの罪の報いを十字架の上で御子を犠牲にし、赦されたのです。ここに私たちに対する神の愛が現されたのです。
このキリストを信じるなら、私たちの罪は赦されます。心の悩みも解決されます。そして何よりも、永遠の滅びから救われて、永遠のいのちをいただくことができるのです。
私たちの心に救い主イエス・キリストをお迎えして、真のクリスマスの喜びを与えて頂きましょう。

 (宣教者: 柏原教会牧師  西本耕一)