クリスマスおめでとうございます。イエス･キリストがこの世に来られ、そして不思議なように全世界でお祝いされています。おそらくこのようなことは他にはないと思います。それだけクリスマスは特別な日であり、また世界の歴史を二分するほどに重要なことです。私たちもイエス･キリストを信じるなら、新しい世界に生きる者となります。
１，苦しみの中に生まれる
イエス･キリストの誕生は目立つものではありませんでした。ロイヤルファミリーの誕生であればニュースになります。しかし、キリストの誕生はきわめて密やかなものでした。
マタイの1章にその次第が記されていますが、ヨセフの許嫁であったマリヤが聖霊により身重になり、そのことを知ったヨセフは密かに離縁しようと思ったのです。おそらく二人は結婚前、将来を夢見て楽しいときを過ごしたことだろうと思います。ところが、何と救い主がお生まれになる、平凡な二人にとってはありがた迷惑だったかも知れません。しかし、彼らは信仰を持ってそれを受けました。マリヤは「お言葉通りこの身になりますように」と従いました。一方ヨセフは、非常に悩んだと思います。正しい人であった、とありますが、間違ったことをしない。不正を憎む。しかし、彼はマリヤを愛していた。「さらし者にはしたくなかった」とありますが、結婚前に身ごもる、それは不貞の働きであるとされ、石で打ち殺されるかもしれなかったのです。マリヤを愛するヨセフには非常に苦しいことであったと思います。
苦悩の中にいたヨセフに何と、御使いが夢の中で現れたのです。そして、苦しんでいるヨセフに、恐れるなと励ましました。しかも、胎に宿っているものは聖霊によるのであると言われ、おそらく彼は大変驚いたことであると思います。しかし、彼もまた信仰を持って、信仰によってそのことを受け入れ、従ったのです。
２，救いの御業
御使いはまた、名前をイエスと名付けるように言いました。イエスとは、「主は救い」という意味があります。ヘブル語ではヨシュアという名で知られています。その名を付けるようにと命じられました。ヨセフはそれに従いました。
その名前はわりと一般的であったのですが、イエス･キリストの十字架と復活以降、その名は一般の人が付けることはありません。この方はただ一人しかいないのです。
なぜなら、その名前には力があり、大きな働きがあります。それは、罪の赦しです。イエス･キリストがこの世に来られたのは、私たちの罪を赦し、罪から私たちを解放し、永遠の滅びから私たちを救うことであるのです。貧しさから救うことや、けが病気を治すことはある程度人間にもできます。しかし、永遠の滅びから私たちを救い出せることのできる人はいないのです。
そのために、父なる神様はその一人子イエス･キリストを、私たちを救うために遣わされたのです。イエス･キリストは私たちをありとあらゆる罪から救われます。盗むことも人殺しも罪ですが、心の中にある妬みや憎しみも神の前には等しく罪です。罪を持ったままでは、天国には入れません。罪を捨てなければならないのです。その一切の罪を捨てるところが十字架です。私たちの欲も、惜しむ情も、一切をキリスト共に十字架に付けてしまうことです。私たちは天国に入れるために一切の罪をかなぐり捨てて狭き門から天国に入るのです。十字架が天国に入れる唯一の門なのです。キリストは一切の私たちの罪を身に受けて、身代わりとなって死んで下さいました。そして、私たちを赦した確証として、死の中からよみがえられたのです。キリストは生きておられます。今、天にあって父なる神様の右にあって私たちのために執り成しの祈りをして下さっておられるのです。やがてイエス様は私たちを迎えに来て下さいます。それが、クリスチャンの希望です。信じる私たちには消されることのない希望が与えられています。それはインマヌエル―神は私たちとともにおられると言うことです。これがクリスマスです。心から、神様に感謝を捧げましょう。
（宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一）
