柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「神の栄光をほめたたえる」  エペソ1章1-14節

聖書:エペソ1:1〜14
金言:それは、神がその愛する方によって私たちに与えてくださった恵みの栄光が、ほめたたえられるためです。 エペソ1:6


 「私たちは、どこから来て、何をして、どこへ行くのか」という問題は、人生最大の疑問です。この疑問に聖書は明快に答えています。イザヤは「わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造った」(イザヤ43:7)と述べています。ウエストミンスター小教理問答書は「人のおもな目的は、何ですか。人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです」という問答で始まっています。

 本日の聖書は「神の栄光をほめたたえる」(6.12.14)という言葉で三区分されます。


[1] 神の主権による選び (1〜6節)
 ここに神の栄光をほめたたえる基盤と根拠があります。神の選びは「恵みの栄光が、ほめたたえられる」(6)ために神が創造の初めからもくろまれた壮大な一大絵巻なのです。
 1.父なる神による選びです。(3)
 選ばれることは名誉なことです。国会議員は国民によって、大臣は総理大臣によって、オリンピック選手は選考委員会によって選ばれます。しかしキリスト者は人間レベルでの選出ではなく、天上レベルでの選出なのです。
 2.霊的祝福をもっての選びです。(3)
 選出の段階においては、人間的な思惑や感情が交差しやすいものです。しかし神の選びには何の問題もありません。ただ「天にあるすべての霊的祝福」があるのみです。  3.世界の基の置かれる前からの選びです。(4)
 私たちの人生には様々な悩みや苦労が満ちています。しかし私たちは遠い昔から選ばれていることを知るとき、私たちの人生がいかにスケールの大きなものであるかを知ることが出来ます。あまり些細なことを気にするのはキリスト者には似合いません。
 4.聖く、傷のない者となるための選びです。(4-5)
 神は私たちを聖く傷のない者にするため、ご自分の子にするために選ばれたのです。
 5.みこころによる選びです。(5)
 私は趣味は書道です。毎月作品を出して昇段していくのですが、その規定に「昇格、昇段審査の結果に対する異議は受けつけません」の一項目があります。神の選びの基準は「みこころのままに」です。
 6.愛による選びです。(5)
 すべては神が愛をもってなされた出来事です。
 7.恵みの栄光による選びです。(6)
 神の選びは「恵みの栄光」によってなされました。キリストの贖いなくしては実現しなかったことが良く分かります。


[2] キリストによる贖いの恵み (7〜13節)
 ここに神の栄光をほめたたえる動機と祝福があります。贖いとは、本来自分の所有であった物が、何らかの理由で第三者の手に渡った際に、もう一度自分の物にするために大きな犠牲を支払って買い戻すことを意味しています。 
 1.神の豊かな恵みによる贖い (7)
 ここに贖いの資源があります。ただただ神の一方的な恵みによるのです。
 2.御子の血による贖い (7)
 ここに贖いの代償があります。罪人である私にそれだけの値が付けられたのです。
 3.罪の赦しを与える贖い (7)
 ここに贖いの効果があります。贖いの効果としては、赦罪(良心の呵責からの解放)、新生(サタンの束縛からの解放)、義認(律法の呪いからの解放)、神との和解(敵対心からの解放)、神の子(悪魔の支配からの解放)永遠の生命(永遠の滅亡からの解放)、聖化(罪と死の法則からの解放)などがあります。
 4.神の知恵と思慮深さによる贖い (8)
 ここに贖いの精神があります。贖いは神の全力投球のなせるわざです。
 5.奥義を知らせる贖い (9)
 ここに贖いの目的があります。神は明快な目的意識を持っておられます。
 6.神の計画による贖い (9)
 ここに贖いの計画があります。贖いは創造当初からのご計画です。
 7.万物の復帰を目指す贖い (10)
 ここに贖いの完成があります。そのために万物は今も産みの苦しみをしています。


[3] 聖霊の内住による希望 (13〜14節)
 ここに神の栄光をほめたたえる保証と希望があります。証印とは、当事者間に交わされた契約を確実なものにするための印です。使徒パウロは「私は、この身に、イエスの焼き印を帯びている」(ガラテヤ6:17)と言っています。内住の御霊こそがその証印そのものです。これはまことに驚くべきことであり、神秘的なことです。私たちはこの事実ともっと感動をもって把握する必要があります。
 1.希望は救いの福音を聞くことによって始まります。(13)
 「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです」(ローマ10:17)。
 2.希望はキリストを信じることによって前進します。(13)
 信じるとは、心のスイッチをONにすることです。信じることによって希望の光が点灯するのです。
 3.希望は聖霊の証印によって確実になります。(13)
 証印された聖霊は約束のものを受け取る手付け金のようなものです。
 4.希望は御国を受け継ぐことによって現実となります。(14)
 御国とは神のみこころが完全に行われるところであり、状態です。
 5.希望は神の民が贖われることによって完成されます。(14)
 口語訳は「やがて神につける者が全くあがなわれ」と訳出しています。


 神によって創造された人間の存在目的は「神の栄光をほめたたえること」にあります。 天使たちは「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように」(ルカ2:14)と賛美しました。いくら願っても地上の平和が実現しないのは、神に栄光が帰せられていないからです。すべてのキリスト者は、神の栄光をほめたたえる者としての責任をしっかりと果たしたいものであります。

                   (説教者:荻窪栄光教会牧師 中島秀一)