「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます」とイエスは父を賛美されました。
しかし、直前の内容からいえば、ちぐはぐな感じがします。なぜならイエスはそこで大いに嘆いておられるからです。
21節に二度出てくる「ああ」と訳されている言葉はヘブライ語で「ウーアイ」と発音します。それははらわたの奥底から発せられる呻きであり、言葉で言い表せないほど悲嘆を示す言葉です。
文脈から言えば「こんなやつらには重い罰を」の方が、ふさわしいと思われるのですが、イエスは父をほめたたえることで、私たちの在りように、目を向けさせようとされたように思えます。
イエスは私たちに「幼子のようになれ」とおっしゃっています。
あなた方の中には「知恵ある者」、「賢い者」はあまたいる。しかし、幼子のようである者はほとんどいない、その事実にイエスは目を向けさせたかったのでしょう。
イエスは、あなたの人生に他者を受け入れることを求めておられます。
そのために必要なのは、自分の道はわかっていると自認したり、自分の中が自分でいっぱいになっている大人ではなくて、自分は誰かの助けが必要であり、誰かに手を引いてもらわなければならないことを知っている幼子でなければならないのだと、そうおっしゃっているのです。
(宣教者:シオンの丘キリスト教会牧師 坂田 浩牧師)