キリスト教の信仰と他の宗教の信仰の違いはどこにあるでしょうか。およそ、多くの宗教は信じたら、何かがもらえる、また、良くなる、ということを言うと思います。
キリスト教の信仰は、それとは全く別なものがあります。それは、つながると言うことです。簡単に言えば、キリストとつながることです。もちろん、キリストが死んでいなくなったのでは何の意味もありません。
後、1ヶ月もすればイースターです。キリストは死の中からよみがえられた。今も生きておられる。私たちを助けて下さる。それが、キリスト教の信仰です。
そのキリストにつながることが、キリストに接ぎ木されると言うことです。ヨハネ１５：５「わたしを離れては、何もすることはできない」とは逆に言えば、キリストにつながっていれば、何でもできると言うことです。
キリストの迫害する者であったパウロは「私を強くして下さる方によって何事でもできる」(ﾋﾟﾘﾋﾟ4:13)と言っていますが、キリストを信じてから変えられました。何度投獄されても、人に裏切られ、迫害されても、いつでも喜び、祈り、愛に徹する人となったのです。なぜでしょうか。彼はキリストとつながっていたからです。
聖書に、「良い木には良い実がなり、悪い木には悪い実がなる」とあります。渋柿の木は、どんなに肥やしをやっても甘い実はなりません。人間でも同じところがあります。「私は何をやってもだめだ、不幸ばっかり続いている」と言っている原因はどこにあるでしょうか。そんな状態では、いくら勉強しても、一生懸命働いても、良くなることはありません。また、他人のせいにしても変わらないのです。問題はどこにあるのか。自分が渋柿であること知らなければなりません。渋柿の木は渋柿の実しか出てこないのです。不平や不満が心にあると、それが口からでたり、行いに出てくるのです。
「人を汚すものは、外側から人に入って汚すのではなく、人の内側から出て、人を汚すのである」とイエス様は言われています。(マルコ7:20〜23)
そんな自分が変わる方法はあるでしょうか。一つだけあります。イエス・キリストに接ぎ木されることです。キリストは十字架で釘打たれ、血を流されました。その十字架に私たちが接ぎ木されると、キリストのいのちが流れ、愛と喜びに満ちた人生に変えられるのです。それでは接ぎ木されるとはどのようなことでしょうか。
１，神が私たちを受け入れて下さる
キリストは私たちに対して、十字架で身を裂いて血を流し、いのちの切り口をもって、私につながりなさいと両手を広げて受け入れて下さるのです。
十字架は、私たちの過去の罪を赦します。私たちは罪をそのままにしておくことはできません。必ず裁かれるときが来るのです。罪の支払う報酬は死です。永遠の滅びです。50年60年70年ごまかしても、神に反逆した者の報いは永遠の滅びです。しかしキリストが十字架で死んで下さったことは、私たちを罪の悩み苦しみから救い、呪いから解放するために代価を支払って下さったのです。「たといあなたの罪が緋のように赤くても、雪のように白くなる」(ｲｻﾞﾔ1:18)と約束されています。人の恨みはなかなか消えません。しかし神様はキリストの十字架の故に赦して下さり、もはや思い出さないと約束して下さるのです。
２，いのちを与えて下さる。
わたしにつながりなさいとは、新しいいのちが与えられることです。身を切られることは痛いです。接ぎ木される時も痛みはあるでしょう。しかし、ばっさりと罪から切られ、話されなければなりません。
アウグスティヌスは放蕩者でした。しかし、ローマ13:12「やみのわざをうち捨てて、光の武具を着けようではありませんか」と読み「肉の欲のために心を用いてはいけません」(14)との御言葉が与えられ、すっぱりと罪が切り捨てられキリストにつながったのです。
私たちは自我の欲、この世の欲を断ち切って解放され、キリストにつなぎ合わされて新しい人生を歩むことです。新しい人生とは、永遠のいのちが与えられて、死を恐れなくてもいい、地獄を恐れなくてもいい、永遠の希望喜びの与えられる天国を目指して生きる人間となることです。
嫌なことがあるとすぐ、怒ったり、人のことを心から喜べない、ねたましくなってくる、憎しみがある、自分勝手な心がある。そんな罪深い生活が断ち切られてイエス・キリストに接ぎ木されるとき、キリストの愛のいのちが流れてくるのです。キリストが愛されたように、人を愛し、キリストが赦されたように人を赦すことができます。
キリストの十字架の切り口に、罪を悔い改め、信仰を持って繋がるならキリストはあなたのうちにあって豊かな実をみのらせて下さいます。
（宣教者：柏原教会牧師 西本耕一）
