スポーツは私たちに感動とさわやかさを与えるものです。聖書にも、スポーツの記述があります。おそらくパウロも、様々な競技を観戦したことがあるだろうと思われます。
信仰もある意味、スポーツと似たところがあります。今日は、そうした面から信仰について見ていきたいと思います。
１，賞をめざして
競技場で走る人たちとありますが、その当時コリントの町にも競技場があったでしょう。そして、走る人たちの姿を見ていたと思います。スポーツは試合があります。試合には必ず自分だけではなく相手がいます。そして、勝ち負けが決まるのです。徒競走も何人かで走ります。そして、一位になれるのは一人だけです。試合に勝つためには、節制が求められることでしょう。実は、信仰にも同じことが言えます。パウロは「私たちは賞を受けられるように生きることである」と言います。
聖書は、神様が私たちを造られ、生かして下さることが語られています。しかもその賞を与えて下さるのは、造って下さった神様なのです。それこそ、私たちががんばれば、その努力に対する賞が与えられるのです。
競技での賞は、一人しかもらえませんが、信仰においては、それぞれひとりひとりに賞が与えられます。言うならば資格試験のようなものです。その水準に達するなら得られるのです。
２，いのちの栄冠を目ざして
競技者は、優勝すると月桂樹の冠が与えられました。しかし、それは植物ですから、やがて枯れてしまいます。それは残りません。しかし、神様は私たちに、朽ちない冠を与えて下さいます。パウロは第二テモテ4:8で「義の冠」と言っていますが、神様は私たち信ずるものには冠を与えて下るのです。
神様が私たちに与えて下さる義とは特別なものです。それは、信仰によってのみ、義とされます。信仰の父と呼ばれたアブラハムも行いによって、義と認められたのではなく、神様は不可能を必ず可能にして下さるとの信仰をいただいて、彼は義と認められたのです。
そして今の私たちは、イエス･キリストを自分の救い主として信じる信仰によって、正しいと認められるのです。なぜなら、イエス･キリストは私たちの創造主であり、また罪を赦して下さる贖い主でもあるからです。しかも、死の中からよみがえられ、復活され天に昇られ、やがては全てのものを裁かれる審判者として来られます。私たちは、ただキリストを信じる信仰によって救われます。十字架で私たちを赦して下さったかたは、もはや私たちを罪人として裁かれることはありません。すべて、キリストの十字架によって、赦されているのです。
３，天国を目ざして
私たちが、栄冠を受けるのはこの世ではありません。では、私たちのゴールはどこにあるのでしょうか。天国です。天国に入ることがゴールなのです。たとえ、この世で素晴らしいものを得たとしても、ゴールに入らなかったらだめなのです。
あるマラソン競技で、失格した人がいました。一番に決勝地点に来てゴールを目前にして、倒れてしまい、人に運ばれて別の所に連れて行かれたのです。ですから、失格してしまいました。私たちも、いくら良い走りをして、一番に駆け込んできたとしても、ゴールに入らなければ、失格者となるのです。
パウロはまた、空を打つ拳闘をしないといっています。空を打つ拳闘はスタミナを奪います。倒れやすくなります。ですから私たちは、スタミナ不足になって、ゴール直前で倒れ、別の所に運ばれて失格しないように、まずゴールはどこにあるのか、天国はどこか、自分の行くべき目標をいつもはっきり見据えることです。
ステパノという人はそれがはっきり見えていました。そして、それを証ししてゴールに入ったのです。パウロはそのことをよく見ていました。ステパノがそのようにできたのは、聖書をよく読み、御言葉を心に蓄えていたからです。彼は魂のスタミナが切れて、リタイアしたのではなく、心が燃やされて天国に突っ走っていったのです。願わくは、私たちも同じように、心燃やされ、キリストの愛に満たされ、ゴールするものでありたいと思います。
（宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一）
