柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「あなたを忘れない」 イザヤ書49章15〜16節

 『彼女は力と気品を身につけ、ほほえみながら後の日を待つ』(箴言31章25節)とは、わが子のために祈る母の姿があり、そこに母の愛があらわれています。
 よく、人に頼まれたことを忘れないようにと、手のひらに書いて口に含むようなまねをしたり、実際に手のひらに書いたりします。聖い愛の神は、『・・・わたしは、あなたを忘れることはない。・・・』と言われています。


Ⅰ.あわれみの神ゆえに 15節

 いとおしい者を愛していくということは、誰にでもできます。よく言うことを聞いて従ってくれる者を愛することなら、誰にでもできます。しかし、神のあわれみは、そのような条件をつけるものではありませんでした。
 神が愛していてくださると信じていた民が敵地に捕らえられて70年、不自由な生活をしなければならなくなった時、神がおられることと神に求める者に報いてくださることを信じることができなくなった多くの人々がいました。「神がいるという言葉は聞き飽きるほど聞いた。神がいるなら、神の民をどうしてこんな目に遭わせるのだ。神などあてにならない」「神はもう私たちを捨てられたのだ。忘れられたのだ」という失意と失望、また絶望(ニヒリズム)の中に陥っていました。忘れられる、捨てられるという思いに陥ることは、人生最大の悲劇です。
 人間の愛を表すことの中で、母子の結びつき以上に強いものはありません。しかし、神のあわれみは、我を忘れてしまうほどに、どのようなことがあっても決して忘れないと言われるものです。


Ⅱ.あがないの神ゆえに 16節

 神に忘れられた、捨てられたとの思いの虜になったイスラエルの民たちは、神ご自身とその愛と恵みを忘れて、神を捨てていったのでした。
 しかし、『イスラエルのあがない主、イスラエルの聖者』であられる神は(7節)、再び手のひらに彼らを刻み込むように「ご自分のもの」として回復され、『あなたの石垣(城壁)は常にわが前にある』とあるように「あらゆる災いや試練など」から守り続けてくださいました。
 今日の私たちにも同様のことを成し遂げ続けていてくださるのが、イエス・キリストです。十字架による救いによって(ルカ23章34節、43節)、愛する者が滅びてはならないと自らを捨ててくださったのでした。そうして、いつも私たちと一緒にいて、私たちをその尊い手の中に握って、私たちを神と共に働くものとして用いてくださるのです。
 一人ひとりが、神に心を開いて甘えよう! もっと任せよう!
                    (説教者:柏原教会牧師 川原崎 晃)