イエス・キリストを信じて救われたパウロはエペソで伝道をしました。大変困難を極めたのですが、多くの人が救われ教会が建てられました。エペソの人たちを励ますために彼はこの手紙をローマの獄中から送ったのです。
1,神を知る
彼の一番の願いは何だったでしょうか。「神を知る」ことでした。エペソはアルテミスの偶像礼拝が盛んでした。肉眼で見えるものでした。しかし、それは神ではありません。偶像は人間が作ったものであり、それが私たちを救ってくれることはないのです。
彼は、真の神―父なる神様を知ってほしいと願っていたのです。しかし、真の神様は肉眼では見えません。何によって見ることができるでしょうか。それは「啓示の御霊」です。つまり、御聖霊によって心の目が開かれてはっきり見えるようになることです。啓示(アポカルプシス)覆いを取って現すという意味です。簡単に言えば除幕式ということです。
パウロはそのことを経験しました。彼は学問によって神を学びました。しかし、彼の魂(心)の目は見えていなかったのです。ダマスコ途上で復活のイエスに会い、目から鱗が落ちてはっきりと救い主の姿が見えました。そして、彼の人生は変わったのです。私たちも、心の目が開かれてキリストの姿が見えるなら、人生は変わります。生き方も変わります。
彼は神の召しによって与えられる望み、聖徒の受け継ぐものと言っていますが、それは神の国、天国です。彼は心の目が開かれて、天国が見えていました。ローマの獄中にいたのですが、彼が見ていたのは天の御国であったのです。ですから、喜びと感謝に心は満たされ、獄中でもピリピであったと同じように賛美して祈っていたことでしょう。ですから、彼はエペソのクリスチャンたちに、心の目が開かれ「栄光の父」が見えるようにと祈ったのです。
2,神の力を知る
そしてもう一つのことは「神の力を知る」ことです。神の全能の力、それは創造の力です。無から有を造られる。闇の中に光りあれ、と言われれば光が現れるのです。私たちに必要なものを造られ、与えて下さる方です。
さらには、信じる者に働く神のすぐれた力がわかります。それは御聖霊です。御聖霊は信じる者の心の中に働かれ、慰め癒やし、励ましを与えて下さいます。それこそ、キリストがよみがえられたように復活の力を与えて下さるのです。復活の力は過去のものではありません。エペソの人たちにも与えられて、偶像礼拝に打ち勝ち、多くの人は救われて教会が建てられていったのです。今日も同じです。神の偉大な力は私たちのうちにも働いて、それがどれほど素晴らしいものであるか私たちは必ず知ります。私たちの生活の中にも神様は奇跡と言われるような素晴らしいことを知らしめて下さいます。
私たちは、見るべきお方を見させて頂き、与えられるべき慰めと力をいただいて前進する者とさせていただきましょう。
(宣教者: 柏原教会牧師 西本耕一)