柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「信仰の家を建てる」コリント人への手紙第一3章10〜15節

 柏原教会創立75周年。今日は、教会にとってまことに喜ばしく記念すべき日です。この教会は、宣教の情熱に燃えた婦人宣教師によってこの地に伝道が開始され、その情熱は歴代の牧師・信徒の皆さんによって今日まで、しっかりと継承されています。
 さて今朝は「信仰の家を建てる」というテ−マを与えられています。

(1)信仰生活の目標
 私たちの信仰生活の具体的な目標は、ひとつには自分に与えられた救いを全うすることです。地上の様々な試練に打ち勝って、約束された永遠のいのちの救いを得ることが信仰生活の目標のひとつです。
 しかし、それは信仰生活の個人的な部分です。それと同時に、私たちはキリストの体と言われる教会に連なる者として生きているのです。そして教会の完成のために、代々の聖徒と共にひとつ命に生かされているのです。ここに教会の歴史を記念する意味があります。
 この罪に満ちた世界、ことごとくが自己中心的で、肉の欲望を満たすためにのみ営まれている世界にあって、キリストの命に満たされ、キリストのために生きる交わり、それが教会であり、この教会の完成のために私たちは信仰に生きるのです。
 信仰の一面には、個人的な要素が多くありますが、だからと言って、ひとり密かに信仰を持っていては健全な信仰とはならず、独善的で偏狭な信仰となってしまいます。
 『あなたがたは・・・神の建物です』(9節)と記されているように、大切なことは、キリストの体である教会を建てることです。そして教会の『土台とはイエス・キリストです』(11節)。ここに教会の秘密があります。
 イエス・キリストを土台とする教会は、すべてにおいてイエス・キリストに信頼し、イエスを主とするものでなければなりません。それはイエス・キリストが真の支配者だということです。教会の中のすべてのことを進めるのに、イエス・キリストが主人となっていてくださるように進めるのです。キリストに救われた者の集まりである教会は、何でもキリストの御心のままにするということです。

(2)神のあわれみ
 キリストの御心のままにと願ってすることでも、それが金・銀・宝石と評価できる働きともなれば、ときに木・草・藁と言われるようなものとなることもあるのです。その働きはやがて『火』によって試される時が来ます。そしてその結果『火の中をくぐるようにして助かります』(15節)と記されています。
 これは現実にどのようなことを指しているかは分かりませんが、明白なことは、信仰による業も神の御心にかなわなければ滅び、御心にかなったものが残るということです。
 キリストのためにと思って、一生懸命働いたつもりでも、時に、火に耐えられないような結果となることもあるでしょう。御心にかなうこともあれば、御心にかなわないために、滅ぼされる業もあるかも知れません。
 しかし、神は、救いの神ですから、業を行った私たちを滅ぼされることはない、と言っているのです。ここに深い神のあわれみがあります。信仰者は、神のあわれみによって支えられ、保たれているのであって、決して個人の熱心、その行った業によるのでもありません。聖書が示す救いは、徹底して私たち人間の業を排除し、神のあわれみにのみ立っています。
 この群に受け継がれている宣教の情熱が、聖霊によってきよめられ、燃え尽きることのない、真の教会を建て上げていく業が推進されるように共に祈り、共に励みましょう。

                             (説教者:柏原教会協力牧師 岸本望)