柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「人々の間で神と共に」 テモテへの第2の手紙4章9〜22節

 ステパノの殉教を見証することがパウロに及ぼした影響を考えるとき、そのパウロの死を見守ることによって、今度はテモテの信仰が堅くされることを願ったのでしょう、『急いで早くきてほしい』(9節、21節)とテモテに懇願しているパウロです。

 信仰者にとっての死後の見通しは輝かしいものですが(8節、18節)、死に臨むパウロは、その時の彼を支えているものは何かを明らかにしています。それは、とりもなおさず、キリスト者の生涯を支えるものです。


Ⅰ.恵みの主の臨在 14〜17節

 第2回目のロ−マでの捕縛の第1回目の裁判の弁明にあたって、パウロを弁明する人がなく、彼を捨てて逃げて行ったということを語りつつ、弟子と民衆に裏切られた時の主イエスのお心をもって、『どうか、彼らが、そのために責められることがないように』と祈っているパウロです(16節)。

 彼は、全知全能の神の御前に立つ時に、自分は価値のない『小さい者』であることを自覚するとともに、そのような自分を支えてきたものは『神の恵み』であることを絶えず自覚していました(第二コリント15章9〜10節)。だからこそ、苦難の中にあって、その苦難を用いて、すなわちロ−マ法廷の被告席を全世界へ福音を伝える説教壇とする最大のチャンスを与えてくださったとパウロは証言しています。そのために、『主はわたしを助け、力づけて下さった…』(17節)、すなわち「私の傍らに弁護士のように立っておられ、私の語るべきことを教え、勇気を与え、私を支え抜き、一切の誤解・中傷・悪しきたくらみから救い、裁判を全うさせてくださる主イエス・キリストが共におられます」と確信しているのです.恵みの主は、パウロを決して一人では置かれない、臨在の主です。
 信仰者の生涯において、何度も何度も、その傍らに立ち続けて支え抜いて下さる恵みの主を仰がせていただこう!


Ⅱ.恵みに生かされる聖徒たち 9〜13節、19〜22節

 ここには、16名の聖徒=同労者が列記されています。デマスを除いて、キリストの教会を建て上げるために、パウロと共に忠実に福音に仕え、共に労苦しました。そんな彼らの上に、主の臨在と主の恵みが生涯を貫くようにとパウロは祈っています。
 私たちの周囲に、信仰に立って、忠実に主と教会と人々に仕えている聖徒がおられることを知ることは、私たちをして支えてくれます。


 最後に、ただにキリスト者の生涯を支えてくださるだけではありません。『義の冠』を授けてくださいます(8節)。義とは主イエス・キリストが与えてくださった恵みで、そのように地上の生涯を歩んだ者に授けられる冠です。恵みの出所はみな神から出ているにもかかわらず、その恵みによって生涯を歩み抜き、ここ一番に共に在って助け導かれ、神の栄光を望みつつ歩んだ者に対して、そのことを最も喜んでくださるお方、それがイエス・キリストです。

(柏原教会牧師 川原崎 晃)