柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「愛に生きる家族」コロサイ3章18-21節

5月5日は子どもの日、今日第二日曜日は母の日です。6月には父の日があります。9月には敬老の日があります。そうした家族に関した日がもたれている国は珍しいようです。それだけお互いに家族を大切にすることが尊ばれているのです。


聖書にもまた、家族を大切にすることが書かれています。今日の聖書の言葉もそうですし、エペソ書の5章6章にも家族を大切にすることが書かれています。
言うなれば、キリスト教の信仰も家族を大切にする信仰であると言えると思います。今年の教会標語の御言葉も「主イエスを信じなさい」という聖書の言葉です。その後があります。「そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」自分ひとりが天国に行くのではない、家族も皆救われて天国に行くのが私たちの望みです。


1,家族を愛する

日本は昔、大家族制でした。おじいちゃんやおばあちゃんがおり、小さな子どもが同じ屋根の下で生活していたのです。そのところで、自然と人間関係が培われ、相手に対する思いやりや気遣いが生まれてきたと思います。
しかし戦後、家庭は変わってきたと思います。核家族化という言葉が生まれました。高度経済成長時代、だんだん豊かになり、自分の家を持ちたい人が多くなりました。しかし、日本は国土が狭く、庭付き一戸建ての家が一つの夢だったと思います。現実には値段が高く、都市部ではその代わりにアパートやマンションが建てられました。そして家が狭いと言うことで核家族化が進んだのです。
そのことは、家庭にも影響がありました。個別化がいっそう顕著に表れてきました。食事も皆ばらばら、テーブルを囲んで話し合うのではなく、テレビを見てご飯を食べる、家族の交わりがなくなってきたのです。それで健全な家庭ができることはありません。
もう一度、私たちはこうして、子どもの日、母の日、父の日、敬老の日があることを覚えて、家族のことを考えてみる必要があります。
この聖書の箇所では、妻に対して夫に従いなさい、夫に対しては妻を愛しなさい、子どもに対しては両親に従いなさい、父たちに対しては、子どもを怒らせてはいけないと具体的なことが語られています。人間として、また家族として良い交わりが持てるように勧められているのです。
この手紙は、一世紀のローマ時代にヨーロッパで書かれているので、文化や習慣に多少の違いはあるかもしれませんが、愛することや従うことは大切なことです。しかも、聖書はただ単に人間として行うのではなく、そこには神がおられる、信仰によってなすべきことが語られているのです。


2,キリストによってなされる 
ここで言われているのは、単に人間としてするだけのことではなく、「主に」と言う言葉が鍵となっています。その主とはイエス・キリストのことです。愛することも従うことも、私たちの力で行うのではなくキリストが私たちのその原動力となって、可能となるのです。
私たちには元来、自分を犠牲にしてまでも人を愛するという思いはありません。赤ちゃんはわがままです。食べて飲んで寝る、やっているのはそれだけです。母親が100%世話をしています。それが、私たちの生まれながらの姿です。しかし、人間は成長します。成長する過程に、いろんなことを身につけます。喜怒哀楽があります.その中で、私たちが神を信じ、神の愛の中に生かされることは大切です。
自己中心的な私たちに、惜しげもなく愛を与える神様の愛がわかる時、私たちは喜んで愛したり、従うことができるのです。キリストは、「互いに愛し合いなさい」、そして「友がその友のために命を捨てるこれより大いなる愛はない」と言われました。それだけではなく、十字架によって自分の命を捨てて愛することを現されたのです。
それを見た弟子たち、そして復活のキリストにであったパウロも変えられました。愛に生きる人たちとなったのです。私たちの力では、他の人を愛することも、従うこともできないでしょう。しかし、私たちの心の中にキリストが生きて下さるなら、キリストがその原動力になって下さるなら、愛することは可能です。
私たちもまた、主にあって心が新しく造りかえられ、主に喜ばれるものとなることができるのです。


        (宣教者: 柏原教会牧師  西本耕一)