柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「祈りの祭壇」ヨブ記1章1-5節

今日はヨブ記を開かせていただきました。このところにも私たちは、神様から豊かな恵みに与る秘訣、困難を乗り越える秘訣を学ぶことができます。


1,祈りの人

ヨブと言えば、苦難の人または忍耐の人という印象があるかと思います。ヨブ記全般にわたって様々な試練が彼を襲う姿が描かれています。
しかし、2〜3節を見るなら彼は非常に裕福だったことがわかります。子どもにも恵まれ、沢山の家畜や持ち物がありました。そのような豊かさは、偶然に与えられたものではなく、彼の人格にあったと思います。
彼は潔白で正しい人であった、と1節にあります。おそらくヨブの誠実な人柄が人に信用され多くの人が彼を信用し取引を行って、彼は裕福になったのではないかと思います。
しかし、それ以上に大切なことは「神を恐れる」ことにあります。神は万物の創造者でありすべてを治められる方です。この方によって、いっさいは成り立っているのです。その神をヨブは恐れていました。この「恐れる」という言葉は、奴隷が主人を恐れる恐れではなく、むしろ自分の父親を子どもが「畏れる」つまり、畏敬の念を持つという言葉が当てはまると思います。ですから、ヨブはまさに父親に接するように交わりを持っていた。神との語らいと交わりがあったことがわかります。それを別の言葉で言うなら、ヨブは「祈りの人」であったと言えるのではないでしょうか。
エス様も地上におられる間は、絶えず父なる神様に祈っておられました。祈りによって、神様と交わることができるのです。これは特権です。祈ることによって神様から祝福をいただき、悩みも解消していただけるのです。祈らない手はありません。私たちもまた、祈りによってヨブのように苦難を乗り越えるものでありたいと思います。


2,祈りの祭壇

そして、もう一つ大切なことがここに記されています。彼は自分のためだけに祈ったのではないということです。息子娘たちのために祈ったことが5節に出てきます。彼らは大変、うらやましいほどに愛と交わりに満ちた家庭を持っていたことがわかります。4節には互いに行き来し、自分の日すなわち誕生日には祝宴を開いて兄弟たちを招き楽しい日を過ごしたのです。これほど麗しい家庭はありません。
しかもそれ以上にまた、大事なことがその後に出てきます。それは、ヨブが息子娘たちのために全焼のいけにえを献げたということです。それは、彼らのための罪の執り成しを意味します。親が子どものために祈ることは大事であると思います。しかもまた、「執り成しの祈り」つまりは他の人のために祈ることの原点であると思います。
ヨブは、その祈りをいつもしていたのです。決して、特別な機会にだけするのではなく、いつもする。それが、祝福の原点です。苦難に打ち勝つ力です。
私たちがもし、ヨブのように困難を乗り越え、苦難に勝利したいと願うなら、いつも祈ることです。祈りは、頭ではわかりません。祈りは祈ることによって練達します。特に、執り成しの祈りは力があります。ほかの人々を祝福し、また自分自身も祝福されるのです。ヨブは最後に自分の友のために祈りました(42:10)。彼らも祝福されましたが、それ以上にヨブ自身が祝福されたのです。
私たちもまた、まず自分自身、祭壇を築かせていただき、すべてを献げ尽くす、祈りを神様にお献げいたしましょう。


            (宣教者: 柏原教会牧師  西本耕一)