柏原教会 今週の礼拝メッセージ(要旨)

日本イエス・キリスト教団 柏原教会の礼拝メッセージ要旨

「信仰による一致」ピリピ2章1-5節

パウロはローマの牢獄にあってこの手紙を書きました。喜びに満ちあふれ、この手紙を読んだピリピの人たちは大いに励まされたのです。もちろんこの聖書を読む私たちも神様は御言葉をもって励まして下さいます。


1,パウロの願
 この手紙には、罪や過ちのことがほとんど出て来ません。むしろ、感謝や喜びの表現が多く出て来ます。ですから、ピリピ書を読むなら私たちは励まされると思います。
 ただ一つ、問題はありました。それは2節の言葉で解ります。パウロは、私の喜びが満たされるようにと言っています。彼の喜びは何だったでしょうか。それは一致することです。共に愛の心を持つことです。心を合わせることです。
 実は、そのことがピリピの教会にかけていたものであったと思います。4章には二人の女性の名前が出て来ます。おそらくその人たちの間がうまくいっていなかった。何らかのトラブルがあったようです。獄中のパウロの所にも聞こえてくるくらいですから、小さなものではなかったかもしれません。或いは、この世的な内輪もめとか、争いといったものでもなかったかもしれません。しかし、それは喜びとはならなかったのです。おそらくパウロは獄中で祈り、問題が解決するようにと願っていたと思います。そして、この手紙を読み、ピリピの教会は問題が解決し、伝道が前進し、さらに多くの人が救われたと思います。そして、今日私たちは、これを神様からの言葉として読んでいるのです。
 一致するためには何が必要なのか。それは1節に出て来ます。キリストにあっての励まし、愛の慰め、御霊の交わり、愛情とあわれみです。これは、私は教会の柱であると思っています。 これらのことがあってこそ、一致出来るのです、心を合わせて、志を一つにしていくことが可能となるのです。


2,キリストの心
 ピリピの教会は伝道熱心ではなかったかと思われます。一致しない一つの理由は、熱心なあまりに、人のことを聞けない弱さがあったのではないかと思います。私たちも夢中になると、周りのことが目に入らない。見えなくなってしまうことがあると思います。おそらくは二人の女性の問題も、伝道熱心なあまりに、議論が沸騰してしまったのではないかもしれません。
 ですから、その解決策は3節に「へりくだり」とあります。謙遜になることです。自分のことばかり主張しない。相手のことも見る、心の余裕が必要です。自分のことだけでなく、他の人も顧みなさいと言われているごとくです。
 私たちは人に対して、自分が立派なものであることを認めさせたい、自分を認めて欲しいという心が働くと思います。しかしそのことが得てして対立を生み出し、時には破壊的なものとなるのです。
 へりくだって互いに人を自分よりすぐれた者と思い、他の人を顧みる。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。とパウロは語りましたが、キリストほど謙遜な方はありません。十字架の死に至るまでも忠実であられた。このキリストの姿を私たちはいつも思い見るべきです。おそらくパウロは獄中にあっても、困難な中、キリストの十字架の御姿を覚え、復活のキリストにお会いしたことを最大の喜びとしたことでしょう。
 文語訳聖書には「キリスト・イエスの心を心とせよ」とありますが、私たちはどんな時にも、キリストの御姿を心の内に覚え、主の御前にへりくだり、相手を顧み、キリストの慰め、励まし、憐れみ、と御霊の交わりを互いに持つものとさせていただきましょう。


(宣教者:柏原教会牧師 西本耕一)